九州・中国・四国乗り鉄旅2021 Part.2(中国編)

10日間かけて九州・中国・四国地方を周遊し、夜行列車にも乗ってしまおうという欲張りな乗り鉄旅。この記事はPart.2の中国編です。

旅の概要は以下の記事で。

前回の記事(Part.1 九州編)はこちら。

3/29(月):青春18きっぷ 3日目

「みんなの九州きっぷ」で新幹線や特急に乗り放題だった土日が終わり、九州を離れます。この日は小倉から出発して本州へ渡り、山陽本線で倉敷まで移動する計画です。

ここからの3日間は、「青春18きっぷ」を使って各停列車で中国地方を巡ります。東北旅で使った18きっぷの残りなので、3/5回目からスタートです。

門司駅を出て関門トンネルに入る前に、「デッドセクション」と呼ばれる場所を通過します。ここから九州側(鹿児島本線)は交流電化、本州側(山陽本線)は直流電化と電化方式の異なる路線が繋がっているので、一時的に無電区間を通るのです。

この時に、車内の電気が一斉に消えるという他路線では見慣れない光景が見られます。このような交直切換のためのデッドセクション自体は国内にいくつかありますが(常磐線など)、今時の車両では室内灯まで消えないようになっているので、国鉄型車両で昔ながらのデッドセクション通過体験ができる場所は珍しいです。

ひたすら何時間も山陽本線に乗って東に向かうだけ……ではあるのですが、全線通して運行されているわけではなく要所要所で系統分離されているので、途中で何度か乗り換えることになります。岩国で新型車両に乗り換えた後、宮島口で途中下車しました。

宮島口は、厳島神社がある宮島に渡るための玄関口です。

いざ宮島へ渡る前に、駅前の「うえの」さんで名物のあなごめしをいただきます。ちょうど開店したばかりの時間に着きましたし、帰りに寄るときっと混みますから。

煮穴子が主流の関東出身の人間なので焼き穴子にはあまり縁がなかったのですが、なるほど、こういう食感になるんですね。蒲焼きですがうなぎほどタレが主導権を握っているわけでもなく、上品な感じで美味でした。

宮島へ渡るフェリーは2社が運航しており、その片方のJR西日本宮島フェリーなら実は青春18きっぷで乗れます。便数も多く所要時間も短いので、気軽に船旅を取り入れることができ、良い気分転換になるでしょう。

厳島神社といえば海に浮かぶあの大きな赤い門ですよね。残念ながら今は工事中でした。2年近く工事が続いており、だいぶ大掛かりな修繕を行っているようです。

フォロワーさんのおすすめで、島にある「藤い屋」というお店に立ち寄り、焼き立てのもみじ饅頭を買いました。

宮島口駅に戻り、乗り鉄旅を再開。広島支社はボロばかりというイメージでしたが、今はもう新車(227系 Red Wing)に当たる割合が高いですね。

保線状態や車両、乗り継ぎなどを考えると、山陽本線ってもう静岡と並んでネタにされるような「18きっぷでつらい区間」ではなく、むしろ乗りやすい方な気がします。三セク化や特急中心のダイヤによって18きっぷでの通過が現実的ではなくなっている地域と比べれば難易度は低いでしょう。

少し東に進んで、今度は広島の少し手前にある横川という駅で降りました。ここで路面電車に乗り換えます。

原爆ドームに立ち寄りました。なかなか大阪・京都あたりよりも西まで来る機会がないので、有名なものはできるだけ見ておきたいところです。

路面電車で広島駅に出て、再び山陽本線へ。糸崎、福山と2回乗り換えて、車両は213系に変わりました。岡山地区に入ったことを実感します。

ホテルのチェックイン時間にはまだ早いので、倉敷駅周辺を散策。有名な倉敷美観地区に行ってみました。こりゃ良い所だ。

まだまだ時間があるので、駅の反対側(北口)になんとなく行ってみることに。この駅前の雰囲気、いかにもバブル期っぽいですね。

そんな華やかなりし頃のテーマパークの跡地に作られたというショッピングモール、アリオ倉敷のフードコートで夕飯に。

「かつ丼城下町」というお店を選んだのですが、これはフードコートにありがちなナンチャッテではなく、期待以上にちゃんとした岡山名物としてのデミカツ丼を出す店でした。良い意味で予想を覆されました。

3/30(火):青春18きっぷ 4日目

この日は倉敷から出発して、次の宿泊地である鳥取に向かいます。距離・時間ともに短めでガツガツ18きっぷの元を取りに行く感じではありませんが、長い旅なので時々セーブ気味の日を入れておかないとキツいですからね。

最初の乗換駅は米子。山陰地方の鉄道網の要所のひとつですが、往時の立派な駅ビルから現在の運行本数に見合った小さな橋上駅舎に縮小するための建て替え工事が行われている最中でした。

つい先日、似たような状況の青森駅を訪れたばかりですが(先日のダイヤ改正で新駅舎に切り替え完了)、やはり地方の鉄道網は今後も衰退の一途をたどるのでしょう。

米子から東に向かっていくわけですが、次に乗る列車までだいぶ時間があったので、一旦西側に寄り道します。

県境を越えて、島根県に入ってすぐの安来駅で下車。「安来鋼」で栄えた町で、今でも駅のすぐそばに日立金属が工場を構えています。

駅前の小さな港から景色を眺めたりしつつ、次の列車で米子に引き返しました。

快速「とっとりライナー」に乗り、倉吉で途中下車します。この辺はラッピング車両などもあってバリエーションが豊富ですね。

倉吉市は5年ほど前から、「ひなビタ♪」というコンテンツに登場する架空の都市・倉賀野市と姉妹都市提携を結んでいます。キャラクターコンテンツを使った町おこしは数あれど、架空の都市と姉妹都市になるという大胆な試みは倉吉市が全国初でした。

ひなビタ♪って何?という説明をするととても長くなるので省略しますが(アニメでもマンガでもゲームでもないので説明しにくい)、音ゲーマー的には一度来ておきたかったんですよね。

時間に余裕がない18きっぷでの移動中ですし、駅から離れたエリアに行く足もなかったので、今回はひとまず駅に設置されているキャラクターパネルだけ拝んだ程度ですが、いずれしっかり見て回りたいですね。

倉吉から鳥取までは特に乗り継ぎもないので、ただ乗るだけ。国鉄型の気動車に揺られて40分程度で到着しました。

到着直後、駅前にある有名なパロディー店「すなば珈琲」で一服。

ウケを狙っているのは名前だけで、それ以外は特に某店に寄せているわけでもなくちゃんとしたお店です。

鳥取に来たら、まあ鳥取砂丘は見ておきたいですよね。駅からは5kmほど離れているのでバスで向かいます。

少し驚いたのですが、鳥取のバスって、一般的にはご法度な「降車直前の両替」を嫌がらないどころか、むしろ推奨しているのですね。写真にもあるように「信号待ち 走行中の両替禁止」なんて張り紙がありましたし、車内の自動放送でも両替は降車時に行うように促していました。

大抵の地域・バス事業者では早めにちょうどの小銭を作っておくのが当たり前、乗ってからどうしても小銭がなかったら信号待ちとか邪魔にならないタイミングで両替しておけ、という円滑な運行を最重視したルールになるところですが、おおらかな印象です。乗り慣れていない人でも安心して乗りやすいんじゃないですかね……まあ、これを都会でやるのは困るし無理ですけど。

鳥取砂丘です。一目見て「うん、大きい砂場だね」で終わりがちなスポットだとは思うので、隣接施設(鳥取砂丘ジオパークセンター)にある鳴き砂などの体験展示や「砂の美術館」など、あるものは一通り見てみると良いのではないでしょうか。

ちゃんと予約しておくか空きがあれば、手頃な値段で小型EV「コムス」でのドライブも楽しめるようです(※砂丘の中ではありませんよ)。残念ながら受付時間に間に合わず断念。

早めにホテルにチェックインして、旅も折り返し地点なので洗濯をしたり、翌日以降の準備をしてこの日の行動は終了。

Google マップで軽く検索しただけですが、前日の倉敷などと比べても都市の規模の割にやたらとコインランドリーが多かったような……?よく使われる理由が何かあるのでしょうか。

3/31(水):青春18きっぷ 5日目

10日間の旅もいよいよ後半戦。中国地方での予定は一通り済んだので、6日目は鳥取を出て四国に渡ります。

さすがに時間がかかるかと思いきや、智頭、津山、岡山と乗り換えは3回だけ。接続も悪くないので、順調に行けば5時間ほどで高松まで着いてしまいます。

移動中に車内の中吊り広告を見て、津山には扇形機関車庫と転車台が保存されていることを思い出しました。せっかくなので寄っていくことに。

津山駅に着いたのは8時前。保存展示施設「津山まなびの鉄道館」の開館時間までは1時間以上あったので、どこかで時間を潰そうと駅前の「Cafe Kakuzen」さんに行ってみました。

この規模の駅で早朝6時から営業しているカフェがあるのは予想外でした。とても助かりましたし、落ち着いた雰囲気の良いお店でした。

開館時間になったので鉄道館へ。駅のホームからも見える旧機関庫だからすぐ行ける、と思っていると予定が狂うかも。駅の改札口とは反対側にある上に線路を渡れる場所も近くにないので、実は徒歩10分ほどかかります。

扇形機関庫と転車台が保存されており、庫内にはよく似合う気動車や機関車がずらり。良い眺めです。

暗い庫内から顔を覗かせている部分しかほぼ見られないのはちょっと惜しいですかね……特にDE50なんかは、2000馬力のV16エンジンを積んだ巨体をぜひ真横から見てみたいものです(真正面から見ても正直代わり映えしないし……)。

貴重な施設が主役でありながら、そこに配置された車両たちが妙にマニアックなラインナップなのもまた面白いところです。

時代背景から量産化に至らなかった1台限りのハイパワー試作機DE50、たった2両だけ試作された客車改造気動車のキハ33……一見普通に見えるDD51だって、余部鉄橋列車転落事故という大事故の当該機でありながら後年はお召機に抜擢されるという明暗両方の保存価値がある1187号機ですからね。良い物を見させてもらいました。

マニアックな話は程々にして、旅の続きを。岡山でマリンライナーに乗り換え、いざ瀬戸大橋を渡ります。

高松駅に到着。ここで、明日から使う誕生月限定の「バースデイきっぷ」を買っておきます。JR四国管内の特急列車に乗り放題となるお得な企画きっぷです。

無事四国に着いて、次の行程に必要なきっぷも買えて一段落。

まだ時間も早く、18きっぷで四国を回り始めても良いのでは?と考えましたが、時刻表を見る限り、輸送密度の低さと特急率の高さから四国で18きっぷを使うのは難易度が高めのように思えます。しっかり計画を立てていないと、あまり遠くに行くのは難しいですね。

というわけで、他県に駒を進めるのは特急を使える明日以降にして、ここは香川県内に留まることにしました。

ひとまず高松駅周辺を観光してみます。四国で最も高い建築物だという高松シンボルタワーに上ってみたり、フェリーの発着風景を眺めてみたり……海の向こうの景色はタイミング悪く黄砂でよく見えませんでした。

せっかく香川県に来たんだから、昼食はもちろんうどん……と見せかけて、もうひとつの名物である骨付鳥をチョイス。シンボルタワーの下にある「TMチキン」というお店でいただきました。パリッと焼かれた骨付き肉に、こしょうがたっぷり効いた食欲をそそる風味のたれ。これは当然うまいですね。

宇多津まで移動し、駅から少し離れた海沿いの観光エリアまで歩いてみました。ゴールドタワーは……先述の高松シンボルタワーよりは低いわけですし(※避雷針などを除く)、今日は黄砂がひどいということも分かっていたのでお金を払ってまで見る気はせずスルー。

ゴールドタワーの向かいには「四国水族館」という水族館があります。2020年4月オープンと新しく、四国最大級という触れ込みなので、これは良さそうだと2,200円のチケットを買って入ってみましたが……うーん。

展示のボリュームの少なさ、解説の薄さなど、個人的には料金に見合った内容だとはあまり思えませんでした。同じ2,200円でも、仙台うみの杜水族館ぐらいの規模とクオリティーなら納得・満足なんですけどね……。

ただ、四国水族館の名誉のために補足しておくと、説明がやけに少ないのは元々スタッフを各所に配置してしっかり解説する前提で設計された(そして時節柄それができない状態でオープンしてしまった)という背景があるらしいです。本来の姿になれば少し印象が変わってくるのかもしれませんね。

宇多津駅の反対側まで歩き、「本格手打ちうどん おか泉」さんへ。「ひや天おろし」という豪華な天ぷらを乗せたうどんが看板メニューです。

割と有名なお店で、地元民からの扱い的には博多ラーメンで言うところの一蘭に近いポジション……といえば、伝わる人には伝わるはず。

つまり、地元民が通いつめる安くてうまい本場の味というポジションからは少し外れ「観光客向け」と言われているけれど、それは決して「高くてまずい」という否定的な意味ではなく、むしろ「うまいけどちょっと高いよ、俺らのリアルなうどんはここまで立派なもんじゃないよ」というニュアンスなのでしょう。

でも、それでいいじゃないですか。実際観光客なんだし、物価が違えば安い高いの感じ方も違うし(第一、旅先で食べる飯と日常の飯の許容額が同じってこともないでしょう)、そもそも「安くてうまい地元の味」が傍から見たら「安いけど価格相応」なケースって多々あるし。こういうポジションの店って、こだわりの強い地元民があーだこーだ言ってても気にせず行ってみれば普通にうまい場合が多いですよね。

食後は宇多津駅に戻り、本日の宿泊地・丸亀へ移動。ちょっと乗ってみたかった7200系電車がやってきました。上の写真ではホームに隠れてほぼ見えていませんが、カワサキカラー(ライムグリーン)で塗られた台車が異様に目立ちます。

国鉄末期に製造された電車(121系)に、先進素材を駆使した川崎重工のハイテク台車「efWING」を履かせてリニューアルしたという魔改造車です。これほんと、見た目は普通のちょっと古そうな通勤電車なのに乗り心地がすごい。

さて、少し前倒しで四国観光を始めてしまいましたが、Part.3(7日目〜9日目)は四国編。特急を使ってあちこち回る予定です。それでは、また次回。