古いロードバイク「PT-1000」を拾って組んだ話

前の記事でロードバイクを買ったり弄ったりした話を書きましたが、今回はその半年ぐらい前のお話。

ORCC32を購入する数ヶ月前、まだ「クロモリホリゾンタルフレームのロードバイクが欲しいなぁ」とぼんやり思いつつ条件を挙げて下調べしていた頃です。この時点で、「変なこだわりが多すぎておそらく完成車を買うのではなくバラ完することになるだろう」と薄々感じていました(結果的には完成車ベースで弄ることになりましたが)。

ただ、いきなり高価な新品フレームと高度な最新パーツをガチャガチャやる度胸はなく、気兼ねなく触れる程度の物で基本的な仕組みぐらいは理解してから挑戦したいなと思ったのです。そんなわけで、いわば実験台、教材として拾ってきたのが今回紹介する「PT-1000」でした。

いかんせん古い物なので詳細は分からない部分も多いのですが、パナソニックが1980年代後半に売っていたロードバイク……いや、当時風に言えばロードレーサーです。正確には、この頃のパナソニックのスポーツサイクルの型番は「PC-」がロード、「PT-」がトライアスロン用だったそうなので、トライアスロンバイクですね。

購入時の状態

この車種を指名買いしたわけではなく、ネットの闇市として知られるフリマアプリのメルカリで「フレームさえ使えれば良いから、とにかく安いロードバイク」を探した結果、これに行き着きました。約1年前のことなので購入金額は忘れました。

安かったのは確かですが、一応フレーム買いというわけではなく、パーツ一式が揃った実働車として売られていた物です。まあ、メルカリやヤフオクの実働車は実働車と思ってはいけませんからね。一切期待せず、バラせるところまでバラします。

クランクは固着していて抜けなかったので、とりあえずここまで分解。まあこれはあるあるネタで、BBが付いたまま出品されているフレームとか「あっ(察し)」って感じですよね(これは丸車なのでそのパターンではありませんが)。

フレームはBB周りなどに少しサビが浮いている程度で、ステッカーで表現されているグラフィックもほぼ欠けることなく残っていました。年代を考えると綺麗な方だと思います。

組み付けられていたパーツは基本的には当時モノ。しかしブレーキレバーやペダルは新しめの安物で、長年眠っていた自転車ではなく、割と最近まで頑張って乗っていた歴代オーナーの姿が浮かぶ自転車でした。

作業のゴールを決める

その気になればオリジナルに近い状態で組み直せるかもしれませんが、目的はあくまで「フレームから自転車を組み上げる工程の確認・実践」です。決してレストアではありません。

イケてる自転車を組むことが目的ではありませんから、パーツの性能や統一感は求めないことにしました。手頃な物で試しにサクッと組んで、完成したらちょっと乗ってみて楽しめればいいよね、という考えです。

買い揃えたパーツ

正しく動作する自転車を組むことがゴールなので、パーツ構成は時代もメーカーもごちゃまぜのとんでもないことになっています。フレームと同様、ほとんどがメルカリ産です。

ハンドル、Wレバー、クランク、BB、ホイールはフレームについてきた物をそのまま使います。元々はシマノ600(アルテグラの先祖)で組んだ自転車だったようです。ホイールは手組みで、当時物のカンパニョーロのリムが使われていました。

メルカリで揃えた中古 or 未使用パーツを列挙していくと、シートポストはNITTO S65、サドルはFabric Line Shallow Elite、ペダルはMKS Quill 2K、ステムはDeda MUREX SIL POLISH、ブレーキレバーはDIXNA ジェイリーチ、キャリパーはカンパニョーロのPotenza 11。

リアディレイラーは現行R2000系Clarisの新品を買い、チェーンリングは余っていたLiteProの安物を使用。あとはワイヤー類を買ったぐらいです。

作業記録

フレームを購入してから完成までには3週間弱かかりましたが、パーツが揃うのを待っていた期間が大半なので、実際の作業量は土日で終わる程度だと思います。

まずは再利用するパーツの下準備から。ハンドルはスポンジ系のバーテープがしつこく残っていたので、ダイソーの「シールはがしスプレー」でやっつけます。

ホイールの処理は時間がかかった部分でした。年代物ですから当然チューブラータイヤですし、ボロボロに劣化したタイヤとテープを地道に剥がしていきます。リムセメントではなかっただけマシで、やはり数年前までは乗られていたのでしょう。

ハンドル、サドル、チェーンリング、ペダルなどはまあ、締めるだけですからね。特に難しいことはありません。

外すのに苦戦したタイヤ。新品を着けるのもまあクリンチャーよりは大変、というよりコツが要りますね。タイヤをはめる前にクセを取っておくとか、やり方を覚えてしまえばなんともないです。まあ面倒くさいけど。

ブレーキワイヤーの配線。バネとヒモの簡単な仕組みで動作しているのに、切断面の処理やケーブルの長さなど些細なことでフィーリングが変わり、素人作業ではどうも何かが違うような気がします。単純な機械のようでこういう繊細さがあるところが自転車は難しく、理屈は分かっても意外とプロの腕を感じる部分があるよなぁと思います。

続いてシフトワイヤーも。フロントシングルで組んだので配線自体は瞬殺です。フレームに元々ついていたシマノ600のレバーが今では珍しいフリクション/インデックス両対応の物だったので、ちゃんとインデックスでも使えるように変速調整をしていきます。

これがまた難しいんだよなぁ……(と当時は思っていましたが、後々ほかの自転車の変速調整をしたらそんなことはなかったので、単にパーツ構成が闇だからでしょう)。

完成&その後の処遇

なんやかんやあって、メルカリで拾ってきたボロフレームをちゃんと走る状態まで組み上げられました。ほぼ0から組んだことで、短期集中的に自転車の構造への理解を深められたという収穫ではありました。

一応何度か試走はしてみて、問題ない状態には仕上がっていたので、時々ご近所を散歩する程度に乗っていましたね。今思うと、フレームのせいなのかホイールのせいなのか、ちょっとフニャフニャした乗り味だったようには思います。

冒頭で書いた通り、あくまでお試しで組むことが目的でしたから、この自転車は後にメルカリに再放流しました。キャッチ&リリースです。

素人作業の自転車を他人が勝手に信頼して即乗りされるのは嫌だったので、単品で売れるようなパーツは抜いてバラ売りするという形で、適切に安全な処理をしました。あのフレームは今頃、またどこかで組み上げられて違う姿で走っているんでしょうかね。