ロードバイク「ORCC32」を買った話&カスタム記録

自転車の話はこれまで他のブログにちょこちょこ書いていましたが、カスタムが一段落したので振り返りやすいように、1台につき1本の記事としてまとめ直しておこうと思います。何台分かありますが、まずはロードバイクの「ORCC32」から。

「ORCC32」の概要

ORCC32

ORCC32」は、パナソニック サイクルテックが製造しているクロモリフレームのロードバイクです。俗に「パナモリ」と呼ばれるものの一種ですね。私が購入したのは105完成車で、価格は233,000円(税別)。ちなみに、フレーム売りの場合はORCC32ではなくFRCC32という型番になります。

2021年1月現在、パナソニックのクロモリロードは「ORCC02/FRCC02」「ORCC12/FRCC12」「ORCC22/FRCC22」「ORCC32/FRCC32」「FRCC42」の5車種があります(エンデュランス、シクロクロス、ツーリング車は除く)。一見どれもよく似ているので、この手の自転車に興味がある人でないとそもそも何を見て選べば良いかすら分からないでしょう。

まず02は少し毛色が違っていて、これはパナソニックのロードバイクがレースで活躍した時代の雰囲気を残したモデルで、スレッドステムなどの様式美にこだわる人向きです。一番安い42はジオメトリを見ると純粋なロードバイクではなく少しツーリング寄りに振ったモデルのようで、キャリアなどを取り付けるためのダボ穴まで用意されています。

では残りの3車種、12/22/32はどう違うのかというと、12と22はカーボンフォークを採用しており、フレームのパイプもカイセイのブランドが付いた良い物を使っています(ちなみに02はタンゲのプレステージ)。32はクロモリフォークと普通のパイプです。

前置きが長くなりましたが、要するに「パナモリのロードで一番普通なやつ」がORCC32です。他社で言えばアンカーのRNC3なんかが近いクラスなのでしょうかね、たぶん。

車種選定

私は元々ミニベロやフォールディングバイクから自転車に興味を持ったクチで、競技用機材としてのロードバイクにはあまり関心がありません。ただ、悪い友人に感化されて「自転車はクロモリのホリゾンタルフレームが一番かっこいい」という時代錯誤なひねくれた思想が芽生えてしまっただけです。

そんなわけで、ロードバイクを買うにあたって譲れなかった条件は「細身のクロモリフレーム」「フォークまでクロモリ」「身長170cm程度でも完全にホリゾンタルになる」という3点。カタログサイズ(だいたい540とか550とか)ではホリゾンタルっぽく見えても、日本人の平均身長ぐらいのサイズでは微スローピングになってしまうフレームが多いのです。

ORCD05

最初は「今からやるならディスクブレーキでしょ」とエンデュランスロードの「ORCD05」などを検討していたのですが、そもそもクロモリ&ホリゾンタル&ディスクなんて車種はごく限られている上に、ディスクブレーキに必要な剛性を確保するためにカーボンフォークを採用したりダウンチューブを太くしたりするので、実はリムブレーキでないと私が望むようなスタイルは得られないということに気付き、ディスクブレーキは条件から外しました。

先に概要を書いた通り、パナモリのロード系でクロモリフォークの車種を選ぶとすると、キャラクターが異なる02と42を除けば選択肢は32しかないので消去法ですぐに決まりました。

N3
CrMo Racer 鋼

パナモリだけに絞っていたわけではなく、東京のRATIO &Cという店でしか買えないRNC3のオシャレ街乗りバージョン「N3」や、京都のVIGOREが作っている「CrMo Racer」も候補でした。

N3は入手性の悪さやパーツの微妙さで除外(フレームだけ手軽に買えたらN3にしていたかも)。CrMo Racerは特に「鋼」というフレームカラーが格好良く最後まで迷いましたが、ビゴーレのTIG溶接よりもラグ接合に惹かれたのでORCC32を選びました。

購入~納車

パナソニック サイクルテックのロードバイクは完全受注生産なので、特に力を入れていて店主のセンスであらかじめオーダーしてあるようなお店以外は、作り置きで店頭に並ぶということは基本的にありません。指名買いでやってくる人しか買わない、そもそも多くの人は売られていることに気付かないブランドです。

オーダーの割に納期はやたらと早く、公式サイトの記述によれば「※営業日日数(休日、祝日を除く)14日でPOSショップへ納品します」とのこと。チタンフレームだともう少しかかるようです。14営業日に土日を足し、店舗での組み立て調整にかかる時間を考慮すると、注文からだいたい1ヶ月ぐらいで手に入ります。

購入時の構成はごく普通の105完成車。完成車に組み付けられるパーツというのはコストカットされがちですが、パナモリはハンドル&ステム&シートポストが日東、ヘッドパーツがタンゲのテクノグライド、タイヤはなんとRACE A Evo4などなど、割といい感じのパーツでまとめてあるのが好印象だったので、バラ完ではなく完成車にしました。

パナモリはカラーやデザインも豊富です。今後のパーツ選びを考えて合わせやすいシンプルな単色にして、「クラシカルペールブルー(1C-V6)」という淡い水色を選びました。

完成車の場合、105のシルバーを選べないのはちょっと残念ですね。このクラシカルペールブルーも含めて、どう考えてもシルバーのほうが似合いそうなフレームカラーがけっこうあるので、そこを諦めない人ならやはりバラ完でしょう。

納車直後の第一印象は、パナモリのフレームはとても丁寧に作られていて美しいということ。メッキラグや凝った塗装を施した外国の高級車とは違いますし、ORCC32自体、パナモリの中でも比較的安いモデルですが、職人の仕事ぶりを見て取れます。

パイプは一体成型のロストワックスラグで接合されている構造上、溶接痕が見えず、どの角度からも美しい表情を見せてくれます。最大の見どころは同じくロストワックス製法のリアエンドですね。まあ、このせいでエンドが歪んだら一巻の終わりなのですが。

現在の構成

フレーム:Panasonic ORCC32
カラー:クラシカルペールブルー(1C-V6)

ハンドルバー:NITTO RB-018 SSB(380mm)
ステム:NITTO UI-22BX
ヘッドパーツ:TANGE TECHNO GLIDE(完成車付属、グレード不明)
バーテープ:fi’zi:k Tempo マイクロテックス クラシック
バーエンドキャップ:PRO ハンドルバー エンドプラグ

サドル:fabric Line Elite Shallow
シートポスト:NITTO S65

クランク:GRX FC-RX810-1(42T)
BB:SM-BBR60
ペダル:MKS ALLWAYS

ホイール:Campagnolo ZONDA C17
タイヤ:Panaracer RACE A Evo4(25c)

リアディレイラー:105 RD-R7000-SS
スプロケット:105 CS-R7000(11-28T)
シフトレバー:DIA-COMPE ENE CICLO 11s Shifter(リアのみ使用)
Wレバー台座カバー:BLUE LUG downtube shift boss cover(左のみ使用)

ブレーキ:BR-R7000
ブレーキレバー:DIA-COMPE ギドネットレバー DC-139

ボトルケージ:SimWorks John Cage
ヘッドライト:CATEYE VOLT800
テールライト:CATEYE RAPID mini

カスタムしたところ

購入から半年足らずですが、ご覧の通り、すでに「完成車を買った意味とは?」というぐらい変わっていますね。順番に各部を見ていきましょう。

個人的に公道を移動する「乗り物」としてはドロップハンドルにあまりポジティブな印象を持っていないので、ブルホーンバーを装着してストリートスタイルに。STIレバーをそのまま移植するとどうしても見た目がスッキリしないので、ブレーキはギドネットレバー、シフターはWレバー(の片側だけ)に変更しました。

ギドネットレバーはどこを握っても引きやすくて便利、と言いたいところですが、フラット部のスペースがだいぶ窮屈でポジションが限られてしまっている点、ワイヤーの調整がしづらい構造をしている点は微妙。ギドネットなんてほぼ選択肢がないので、贅沢は言えませんけどね。

シフターはカチカチと決まるインデックス式ではなく、指先の感覚を頼りにギアを探るフリクション式です。

「フリクションで11速なんて大変じゃないの?」と思われるかもしれませんが、むしろ11枚ものギアがぎっしりと並んでいると、適当にレバーをひねっても必ずどこかにスッと入るので、Wレバーが普通だった時代の段数よりも意外と変速のストレスは少ないのではないでしょうか。

激坂に挑むわけでも真剣にケイデンスを意識して乗るわけでもないので、変速機はバッサリとフロントシングル化。

ロード用クランクのままフロントシングル用のナローワイドチェーンリングを着けるとか、いっそスクエアテーパーのBBにして素敵なクランクに変えてしまうとか(やっぱり5アームでしょ)方法はいろいろ考えられますが、今回はホローテックIIのBBを活かしながらフロントシングル化する方法として、グラベル用の新コンポ「GRX」のクランクをポン付けしてみました。このやり方、結構イケてるんじゃないかなと思っています。

ホイールはカンパニョーロのZONDA C17。この自転車の中ではほぼ唯一ひねくれていないチョイスかもしれません。単純にG3組のリアホイールに憧れがあったので選びました。細かい部分で言えば、SimWorksの新作ボトルケージ「John Cage」もお気に入り。

何らかのレギュレーションやセオリーに則ったものではない我流のカスタムバイクですが、Twitterでお披露目した際の評判はなかなか良く、見ず知らずの方からもお褒めにあずかりました。

かっこいい自転車が欲しいという当初の目的は達成できましたが、使用頻度は極めて低く、すっかり部屋の置物と化した「盆栽」状態なのは悩みどころ。今春~秋も同じぐらい乗らなかったら手放すかもなぁ……。