5GにeSIM、防水おサイフ対応の全部入りミドルレンジスマホ「OPPO Reno5 A」レビュー

2021年6月11日に発売されたSIMフリースマートフォン「OPPO Reno5 A」を発売日に購入しました。1週間ほど使ってみたのでレビューしておこうと思います。

「OPPO Reno5 A」ってどんな機種?

OPPO Reno5 Aは、2019年の「OPPO Reno A」や2020年の「OPPO Reno3 A」の流れを汲むミドルレンジのAndroidスマートフォンです。

Renoシリーズ自体は海外でも展開されていますが、この「A」付きのモデルは日本専用。Reno Aシリーズは、防水やおサイフケータイなどの日本市場特有のニーズに応えていることが特徴で、OPPOが日本に投入している機種の中でも売れ筋の主力商品となっています。

前モデルであるOPPO Reno3 Aからの主な変更点としては、まず5G対応となり、あわせて基本性能も底上げされています。新たにeSIMにも対応したほか、ミドルレンジではまだ珍しい90Hz駆動のディスプレイを搭載します。

ワイモバイル版が一足早く6月3日に発売され、家電量販店などやMVNO各社を通じて販売されるSIMフリー版が6月11日に発売されました。また、楽天モバイルでも6月18日に取り扱いが開始されました。

外観:サイズや質感は前モデルと同等

まずは外観からチェックしていきましょう。前面を見るとインカメラの配置が変わっており、Reno AやReno3 Aでは水滴型の小さなノッチが設けられていたのに対し、Reno5 Aは左上配置のパンチホール形となっています。

好き嫌いはあるかと思いますが、最近のトレンドとしては水滴型ノッチは採用機種がちょっと減ってきていて、たまにあっても廉価機が大半。新型らしい演出としてはこちらの方が良いかもしれませんね。

背面はガラスではなく樹脂製。パネルそのものは光沢なのですが、内側の塗装(フィルム?)が光を鈍く反射する変わった仕上げになっていて、角度によってはサテン生地のような表情を見せます。これはアイスブルーの場合で、もう1色のシルバーブラックでは処理が異なるかもしれません。

大型化されたカメラ部分の突起は、硬貨1枚分程度の高さ。画面内指紋認証ではなくなったため、背面に通常の指紋センサーが搭載されました。FeliCaアンテナは先端に近い配置で、持ち替えなくても改札や決済端末にかざしやすいです。

側面のフレーム部分も樹脂製で、メッキ風の塗装が施されています。右側に電源ボタン、左側に音量ボタンが配置されており、左上にSIMカードスロットがあります。

上部にはサブマイクのみ、下部にはイヤホンジャック、マイク、USB Type-C端子、スピーカーが並びます。スピーカーはモノラル仕様です。

付属品は削減され、ACアダプターやUSBケーブルが省略されました。透明のTPU製ケースは引き続き付属し、本体にはあらかじめ保護フィルムが貼られています。

外観の総評としては、先代と同様であまり高級感はない価格相応の作りです。むしろ、価格が上がったことを考えるとお値段未満かも……。

4万円台半ばともなるとガラスや金属素材を採用する機種も少なくなく、どうしても外装にお金をかけていない印象は否めません。大きさは約162.0×74.6×8.2mm、重さは約182gで、Reno3 A比でごくわずかなサイズアップに留められており、操作性をキープしている点は好印象です。

性能:Snapdragon 765G+90Hzディスプレイで快適

OPPO Reno5 Aのスペック表(※SIMフリー版)
SoC Snapdragon 765G
メモリ(RAM) 6GB
内部ストレージ(ROM) 128GB
外部ストレージ microSDXC(最大1TB)
画面サイズ・方式 6.5インチ液晶
画面解像度 2400×1080(FHD+)
バッテリー 4000mAh
対応バンド 4G:1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/26/28/38/39/40/41/42、5G:n3/n28/n77/n78(NSA)
SIMカードサイズ nano SIM×2、eSIM
充電端子 USB Type-C
OS Android 11(ColorOS 11)
アウトカメラ 約6400万画素 F1.7(広角)+約800万画素 F2.2(超広角)+約200万画素 F2.4(モノクロ)+約200万画素 F2.4(マクロ)
インカメラ 約1600万画素 F2.0
サイズ 約162.0×74.6×8.2mm
重量 約182g
カラー シルバーブラック/アイスブルー

Geekbench 5のベンチマークスコア

3DMark(Sling Shot)のベンチマークスコア

Reno Aシリーズの性能面での変遷を振り返ると、初代Reno AはSnapdragon 710を搭載していましたが、Reno3 AはSnapdragon 665となり、Snapdragon 7シリーズ(ハイエンドの8シリーズに次ぐ上位ライン)から平凡なミドルレンジの6シリーズに格下げされた格好でした。

Reno5 Aでは5G対応の兼ね合いもあってかSnapdragon 765Gが採用され、再び普段使いならまず大きな不満は出ないレベルの性能を取り戻しています。重量級のゲームを遊ぶ人以外はこれで十分でしょう。

バッテリーは4000mAhで、前モデルと同等。4G運用なら1日問題なく使える程度の電池もちです。

ディスプレイが有機ELから液晶に変更されたということだけ見ると、コストダウンのためにダウングレードされたように感じてしまいますが、NTSC 96%/DCI-P3 100%の色域、最大輝度550nitなど決して悪い物ではありません。

細かい点ですが、液晶+パンチホールの組み合わせだとバックライトを持つ構造上目立ちやすいパンチホール周辺の輝度ムラも、他機種(具体的にはRedmi Note 9Sなど)と比べるとあまり気になりませんでした。

そして、ディスプレイ周りの最大のトピックは90Hz化。高速ディスプレイを搭載する機種でもゲームアプリのみの選択制など実装方法はさまざまですが、Reno5 Aは全体に適用されるタイプで、ブラウザの滑らかなスクロールなど日常的な場面で恩恵を受けられます。さらにタッチサンプリングレートも180Hzに向上しており、基本性能の底上げと合わせて動作の快適性に寄与しています。

やや気になった点としては、ディスプレイの角のRが大きく、アプリによっては欠けて不格好な表示になることがあります(特に下側)。もっとベゼルが細くて本体とディスプレイのRを揃えてハードの見た目を整えることを重視しているならともかく、アゴが残っている普通の作りですし、もうちょっと角の切り落としを控えめにして中身を優先してほしいところです。

UI・機能:ColorOSは好みが分かれるか

OPPOのスマートフォンは「ColorOS」という独自のUIを採用しています。日本勢はシャープにしても富士通にしても、昔は独自色の強いコテコテのカスタムUIを採用していたけれど最近は素のAndroidに近いものに……という方向性ですが、中国市場のニーズが強いのか、中国メーカーは今でも手の込んだ独自UIを作り続けるメーカーが多いですね。

個性があるのは良いことですが、他社Android端末を使い慣れたユーザーにとっては使いにくい、普通のAndroidのお作法で操作しようとすると通じず気持ち悪い、という違和感はどうしてもあります。そういった意味では、カスタムUIは一度獲得したユーザーを他社に流出させない囲い込みの手段という側面もあるのかもしれません。

OPPOのColorOSはどうかというと、3年前ぐらい(ちょうど日本に上陸した頃)までは見た目も操作性もiOSを意識しすぎ、行き過ぎたセキュリティ重視(例:開発者オプションを有効化したままにできない、パスワード入力時のキーボードを変更できない)など、かなりクセの強いものでした。

その頃と比べれば今のColorOS 11は無難になったかなと思います。ジェスチャー操作を選択した際にバーが出ないので、文字入力中に他のアプリに遷移しにくい……とか、細かいところで気になることはありますが、概ね普通のAndroid端末の感覚で使えます。

逆に良い点を挙げると、ColorOSの画面分割の操作(3本指スワイプ)は好みです。マルチウィンドウがAndroidの標準機能になった頃はまだ3ボタンナビゲーションが主流で、アプリ履歴キーの長押しで手軽に画面分割ができましたが、その後2ボタン、ジェスチャーナビゲーションと変化するうちにAndroid標準の画面分割の操作は退化し、一度アプリ履歴を開く面倒なものになってしまいました。

YouTubeで動画を観ながら、再生を止めずにTwitterも見たい、なんて場面では重宝する機能です。

SIMフリー版のReno5 Aは、nano SIMが2枚入るデュアルSIM機です。さらに、eSIMにも対応しています。

eSIMを有効にすると2枚目のnano SIMスロットが無効化される仕様なので、残念ながら3枚同時に利用できるわけではありません。ちなみに、2枚目のnano SIMとmicroSDカードも排他利用となります。

Reno AやReno3 Aは画面内指紋センサーを搭載していましたが、Reno5 Aは背面に通常の指紋センサーを搭載しています。これも退化といえば退化ですが、光学式の画面内指紋認証よりは通常タイプの方が高性能なはず……と思いきや、それほどでもありません。

けっこう色々使ってきているのですが、いつも通りの感覚で指紋を登録したら成功率が妙に低く……どうも、指紋登録時になるべく広い範囲の指紋を登録することを意識しながら設定しないと通りにくい印象です。

欲を言えば、背面指紋認証なら多くのメーカーが入れている「指紋センサーをスワイプして通知を開く」ジェスチャー操作も入れて欲しかったですね。


その他の機能に簡単に触れておくと、まず防水・防塵はこれまで通りしっかりとIP68相当。位置情報はGPSに加えてみちびき(QZSS)にも対応します。

おサイフケータイ関連ではモバイルSuica/モバイルPASMOの発行可能枚数が増えており、モバイルSuicaとPASMOを併用したり、最近できるようになったモバイルSuicaの複数枚発行をしたりできます。この交通系ICの複数枚発行ができる機種(モバイルPASMO公式サイトの対応表ではType 1と表現)はFeliCa対応Android端末の中でもごく一部のみで、OPPOでは初となります。

カメラ:カメラ目当てで買うほどではない

Reno Aシリーズに限って言えば、基本性能と価格のバランスを意識しながらしっかり日本仕様、というコストパフォーマンスを重視した戦略的な普及機種なのであまりそういうイメージはないかもしれませんが、OPPOのスマートフォンの売りのひとつに「カメラフォン」というものがあります。

日本上陸第一弾となったR11sやフラッグシップのFind Xシリーズ、Reno 10x Zoomなどでは大々的にアピールされていましたし、OPPOが世界中に置いている研究開発拠点のうち、横浜にある日本研究所では主にスマートフォン用カメラの技術開発を行っていることも公表されています。

さて、今回のReno5 Aには「カメラで選ばれたい5Gスマホ」という自信があるのかないのかわからない中途半端なキャッチコピーまで付けられており、Reno AやReno3 Aの路線を踏襲しつつ、カメラにもリソースを割いていることが伺えます。

そんなわけでカメラ性能にも少し期待しつつ買ったのですが、うーん……「カメラで選ぶ」ほどではないですね。決して写りが悪いわけではないのですが、そもそもReno3 Aもそこそこ撮れましたし、改めてアピールするほど変わってないじゃないかというのが正直な感想。

広角カメラの画角イメージ

超広角カメラの画角イメージ

明るい場所ならそこそこキレイに撮れますし、オートホワイトバランスが安定しているのも好印象。色味の混ざった難しい照明の飲食店内や、他端末ではいつも緑がかった写真になってしまう洗車場でもちゃんとした色が出て驚きました。ソフトウェアの面では研究開発に力を入れているだけあって普及機にまで成果が反映されているのを実感できます。

撮り方の小技としては、ホワイトバランスが見た目に忠実すぎて、食べ物を撮ったときに寒色寄りの地味な仕上がりになってしまう場面がたまにあります。撮影時にリアルタイムで適用できるフィルターのうち「より暖色に」を選ぶと、適度に暖色寄りに振られ、他社の被写体認識機能でいうところのフードモードに近い仕上がりになります。

一方、カメラを売りにするならここは削らないでほしいなと思ったのが「手ぶれ補正」です。動画に関してはジンバルと見紛うレベルの非常に強力な電子式手ぶれ補正が実装されていますが、カメラ自体に光学式手ぶれ補正(OIS)はなく静止画では無力です。

メイン(広角)のセンサーを約4800万画素→約6400万画素と必要以上に高画素化するコストをかけられるなら、あるいは実用上ほぼ無意味に等しくクアッドカメラアピールのための水増しでしかない200万画素モノクロカメラを積むコストをかけられるなら、メインカメラに光学式手ぶれ補正を付けてほしいと切に願います。

いくつかのオプションとともに用意されている夜景モードもHUAWEIやPixelほど画像処理で賢くブレを抑え込みながら擬似的な長秒露光を行えるレベルのものではないため、三脚などでの固定が前提となります。

マクロカメラは4cm程度まで寄れます。これは本機種に限った話ではないのですが、個人的には最近のスマートフォンに多い200万画素程度のマクロ専用カメラを搭載する意義があるのか疑問です。

そもそもスマートフォンに搭載できる程度のカメラは最短撮影距離が短いので一般的な用途で寄れずに困ることは少ないですし(※被写体に近寄ることとズームは別なので混同しないように)、メインカメラよりもはるかに劣る性能のマクロ用カメラを使うぐらいならメインカメラで撮ってトリミングした方が良い結果が得られるわけです。さらに言えば、大きな板状のスマートフォンを数センチまで近付けたら間違いなく影が落ち、照明を工夫しないと実用不可能なわけで……そういう意味では、moto g100のリングライト付きマクロカメラは興味を引きますね。

そんなわけで、よくよく考えると階調補助の名目で搭載されるモノクロカメラと同様、マクロカメラも“水増しクアッドカメラ”のための数合わせとしか思えません。こういう機種、ほんと多いですよねぇ……。

色々と文句も書きましたが、メインカメラと超広角カメラの普通の場面での写り(夜景は除く)は4万円台のミドルレンジ機に期待される水準は満たしていると思います。それから、動画の電子式手ぶれ補正も見事です。

まとめ

日本市場特有のニーズを汲み取り、OPPOの日本市場への定着を支えてきた主力機種の3代目だけあって、そつなくまとめられている印象です。前作のネガだった性能ダウンも埋め合わせられ、大きな欠点は少ない機種ではないでしょうか。

強いて言えば、5GやeSIMへの対応で値上がりしてしまった点にはターゲットとのズレを感じます。そもそも日本のSIMフリー市場でミドルレンジ機を購入する層の大半はMVNOユーザーと考えると、どちらも恩恵を受けられるユーザーはまだまだ限られており、「自分にとって要らない機能のために値上がりした」「使わない5GやeSIMのために他の部分でコストカットされている」(有機EL→液晶、画面内指紋認証→通常の指紋認証など)と捉えられかねません。市場環境の変化によってMVNOからMNO各社のオンライン専用ブランド(povoなど)に移行したユーザーも手にするだろうと考えると、対応させておいて損はないとも思いますけどね。

この「前作よりちょっと高い」という欠点も、OCN モバイル ONE(goo Simseller)などのMVNOでのセット購入などであれば解決できることですし、条件が合えば悪くない買い物でしょう。

後は他社の競合機種と比べてどうか。特にXiaomiが活発化していてReno AやReno3 Aのような「コスパモンスター」のポジションをかっさらっていくのもそう遠くないと思われ、それに勝てるほどの華はない、初代Reno Aほどのインパクトはないなとは思うところです。