Android 12 BetaをPixel 5で試してみた

GoogleのモバイルOS「Android」の次期バージョンに向けたベータ版が公開されたので、実機にインストールして使ってみました。

本記事中の情報は、2021年6月9日に提供開始された「Android 12 Beta 2」時点のものです。Beta 3以降や正式版とは異なる可能性があります。なお、端末はGoogleの「Pixel 5」を使用しました。

Android 12 Betaとは?

Androidでは、一般ユーザーが新バージョンのOSを使い始める前に、アプリなどの開発者が事前に対応を進められるよう、Developer Preview ProgramやBeta Programという先行配信の機会を設けています。

同様の仕組みはiOS(iPhone)にもありますが、iOSのそれとは違ってAndroidの場合は高価な開発者プログラムへの加入や厳しいNDAなどの制約は少なく、「あくまで未完成の開発段階であること」「通常利用にはリスクが伴うこと」など基本的な前提さえ理解してさえいれば、興味のある人が気軽に試せるような比較的ハードルの低い仕組みです。

ここ数年の慣例としては、2月頃に最初のプレビュー版(Developer Preview)が公開され、数回のアップデートを重ねてから夏頃にベータ版(Beta)に移行、秋に正式版が公開されるという流れになっています。

DPとBetaの違いが明示されることは少ないですが、提供時期や導入ハードル(※1)の違いを考慮すると、おそらくDPは純粋な開発者向けであり、Betaはアーリーアダプター層の一般ユーザーからのフィードバックを受けて改良することも意識していると思われます。

※1
DPを導入するにはPCと接続してコマンドを使った手動インストールが必要ですが、Betaになるとユーザー登録さえすれば通常のアップデートと同じようにOTAで導入できます。

導入の流れ

Developer Previewまでは、カスタムROMを導入する際に近い作業が必要になり、不慣れな方にとってはややハードルが高いでしょう。DPは完全に開発者向けですがBetaになると少し間口を広げてあり、関心の高いエンドユーザーが試すことも想定されているように思います。

PixelシリーズにAndroid Betaをインストールするには、まずベータプログラムのサイトにアクセスします。

Googleアカウントでログインするとそのアカウントに紐付いているBeta対応端末が表示されるので、複数ある場合はBetaを入れたい端末を選択し、利用規約に同意します。

デバイスの登録が完了したら、スマートフォン上で通常のアップデートを確認する際と同じように「システムアップデート」の設定項目を開き、更新をチェックします。

ベータプログラムに登録したものと同じGoogleアカウントで正しくログインできていれば、これだけで勝手にベータ版が降ってきます。OTA方式のベータ版がまだなかった頃、いち早く次期OSに触れるためには一々ROM焼きしないといけなかった頃からすると超ラクになりましたね。

念のため、予期せぬトラブルを防ぐためにバージョンアップ前にバックアップと初期化をしておいた方が無難かと思います。そもそも、消えて困るようなデータがある端末でやってはいけません(※2)。

※2
旧Ver.正式版→新Ver.ベータ版や新Ver.ベータ版→新Ver.正式版なら初期化しなくても書き換えられますが、新Ver.ベータ版→旧Ver.正式版のダウングレードだけは初期化必須なので、Android 12が正式公開される前にAndroid 11に戻すつもりの場合は特に注意。

実際に使ってみた

Googleの公式ブログを見ると、Android 12の最大の目玉は「Android史上最大のデザイン変更」だということで、GUIの全面的な刷新が計画されています(GB→ICSの変化を経験している者としては「過去最大は言いすぎじゃね?」とか思ってしまいますが……)。

予告映像を見ても非常に洗練されたデザインで、正式版が待ち遠しい限りです。さらに壁紙に合わせて自動的に相性の良い配色をしてくれるそうなので、センスを問わず統一感のある整った見栄えになりそうですね。

さて、Beta 2時点では残念ながらまだデザインの変更は完了しておらず、美しいUIを一足先に体験できるというわけではありません。標準アプリも含めて多くの部分はAndroid 11以前の外観のままでした。

まだ新旧のUIが混在している状態で、比較的完成に近い部分で言えば通知シェードやクイック設定パネル、設定画面の一部階層やポップアップは新しいUIになっています。アニメーションや慣性の付け方など、なかなか心地良い操作感になっていました。

日々使うには隅々までこんな感じだとちょっとクドいかな、サクサク使いたいなという気もしますが、上の動画の最後のカットなどを見ると電卓やアラームなどの標準アプリまで同じデザイン言語で全面刷新されるようですから、雑然と継ぎ足されていった印象が払拭されるだけでも一気に質が上がりそうですね。

機能面でのトピックとしては、もはやここ数年は毎度こればかりで退屈に思えますが、今回もプライバシー機能の強化が中心です。権限周りなんかは特に、お節介なポップアップが増えて煩雑になりすぎるとかえってぞんざいな扱いをされると思うんですけどね……。

上のスクリーンショットは、新しいインジケーターを撮ったもの。iOS 14で追加された謎の点と同じで、カメラやマイクにアクセスしているアプリがある時に表示されます。