あのケータイのデザイナーが手掛けた「プラスマイナスゼロ」の電卓を買ってみた

先日、東京・多摩センターに出来たばかりの「KDDI MUSEUM」に行ってきました。日本の国際通信の歴史、KDD・DDI・IDO時代から現在に至るまでの社史、そして壁一面に歴代のau端末がずらりと並ぶ壮観な展示と、ボリューム、クオリティの両面で非常に満足度の高い施設でした。

現在は1回90分の予約制となっていますが、この分野に興味・関心がある人にとっては予約枠をフルに使っても足りないぐらいのボリュームなので、何時間かじっくり見たいところ。入場無料の企業博物館としてはかなりレベルが高く、おすすめできます。

さて、そんな話はさておき。その展示物の中に「au Design project」の全製品および歴代コンセプトモデルが揃って展示されており、今見ても色あせないカッコ良すぎる携帯端末の数々に痺れました。

余韻を噛み締めつつ「イケてるデザイナーズガジェットを手元に置きたいなあ」と調べていたら、INFOBARシリーズをはじめ、adpやiidaのデザインケータイの多くに携わってきた深澤直人氏が手掛ける±0(プラスマイナスゼロ)という家電・雑貨ブランドが目に留まりました。

±0は2003年から続くブランドで、国内外のデザイン賞の受賞歴も多く、過去にはニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久収蔵された製品もあるそう。何を買ってみようかなと迷い、普段使いできそうな電卓にしました。

公式サイトのブランド紹介によれば「ちょうどいい」をコンセプトにしたブランドだそうで、デザイナーズアイテムですが高価な物ではありません。

今回購入した「電子計算機M」は2,200円(税込)でした。カラーはホワイト、ブラックの2色で、私が買った物はブラックです。

特に意識せずに見たら、当たり障りない普通の電卓と思ってしまうかもしれませんね。奇をてらった物ではなく、シンプルで周りに馴染むデザインです。

実用性を重視した事務用の電卓は、ハッキリ見やすい系のフォントデザインになっている製品が多いので、このシンプルさがかえって貴重といえば貴重かもしれません。

側面は丸みを帯びて角のない断面形状となっており、液晶部分はボディを折り曲げるような形で見やすい角度まで起こされています。

氏のデザインではありませんが、断面形状で言えばXperia XZの「ループ・サーフェス」、横から見たフォルムで言えばCONRANデザインのL-04Bを思い出します。

機能面では特筆すべき点はなく、消費税や四捨五入・切り捨て・切り上げの設定ができる程度の一般的な電卓です。

意匠には好感が持てますが、組み立て精度や初期傷、質感などといった品質面では価格相応の出来です。いや、経理用の実務電卓などを除いた「普通の電卓」の中では特別安い方でもないので、人によってはお値段以下と感じる可能性すらあります。

まあ、ブランドのコンセプトからして決してハイグレードな製品ではないので、過度の期待は禁物でしょう。普通の製品では空間の雰囲気を壊してしまいそうな実用小物を、場に溶け込む名脇役にしたいなら使えるシリーズだと思います。