九州・中国・四国乗り鉄旅2021 Part.3(四国編)

10日間かけて九州・中国・四国地方を周遊し、夜行列車にも乗ってしまおうという欲張りな乗り鉄旅。この記事はPart.3の四国編です。

旅の概要は以下の記事で。

九州・中国・四国乗り鉄旅2021 Part.0(計画編)

前回の記事(Part.2 中国編)はこちら。

九州・中国・四国乗り鉄旅2021 Part.2(中国編)


4/1(木):バースデイきっぷ 1日目

誕生月である4月に入ったので、JR四国の「バースデイきっぷ」を使い始めます。JR四国全線の特急列車と普通列車、第三セクター区間や一部のバス(久万高原などの鉄道で行けないエリアだけ)にも乗れるという、弱点の少ない企画きっぷです。これで3日間使えて9,680円(普通車自由席Ver.)はかなりお得。

前日の宿泊地だった丸亀を出発して、予讃線で愛媛方面に向かいます。ちなみに上の写真は、間違えて手前で降りてしまった新居浜で撮ったものです。

最初の目的地は「四国鉄道文化館」。伊予西条駅にある保存施設で数年前に増築され、現在は線路を挟んで北館と南館の2ヶ所で展示されています。どちらも木造のレトロモダンな建物で、この手の保存施設にしては明るい雰囲気でした。

駅舎がある北側の展示車両は、DF50のトップナンバーと0系新幹線の先頭車両。四国に新幹線なんてないのに?と突っ込みたくなりますが、新幹線の父とも呼ばれる国鉄総裁・十河信二氏の出身地という縁での展示のようです。

南館の室内にあるのはDE10(これもトップナンバー)とキハ65、C57の3両。DE10はまだまだ現役車両も多いですが、製造両数の割には保存例は少ないんですよね。屋根付きで丁重に扱われている物はなおさら少なく、ありふれているようで意外と希少価値が増していく気がします。

屋外にはフリーゲージトレインの第2次試験車(GCT01)も。これこそオンリーワンな展示物のはずなのに、どうして屋外なんでしょうね……?

さらに西に進んで、宇和島を目指します。途中の松山駅で、8600系電車で運行される「いしづち」から気動車の「宇和海」に乗り換えるのですが、同一ホーム上での特急同士の縦列停車という珍しい光景が見られます。

はるばる宇和島まで来たのは、鯛めしが目当て。ただ、到着時間が中途半端で昼営業と夜営業のあいだで休んでいるお店が多く、そして運悪く木曜日が定休日のお店もあり、駅から徒歩15分ほどの「かどや 弁天町店」に駆け込んでなんとかありつけました。

鯛めしは、元々は船上での食べ方として考案されたいわゆる漁師めしです。だし醤油と玉子を混ぜたものに鯛の刺身と薬味を入れ、ご飯にかけてかきこむというシンプルな料理。いわば、超贅沢な卵かけご飯ですね。

4時間かけて高松に戻りました。速くて乗り継ぎも良く、今回は定額で乗り放題のきっぷを持っているのでこういうめちゃくちゃなルートで動いていますが、300kmぐらい離れているんですよね。

高松駅から宿に向かう途中で、高松城跡がある玉藻公園に立ち寄りました。本来は入館料がかかりますし、夕方で閉まってしまうのですが、桜の時期には一部のエリアの無料開放が恒例となっているそうです。

ちょっとライトアップの色が濃すぎて情緒に欠けるかな……?インスタ映えはするかも。


4/2(金):バースデイきっぷ 2日目

琴電の瓦町駅付近に宿を取っていましたが、行きはJRの高松駅から歩いてきてしまいました。せっかくなので帰りは琴電にも乗ってみます。

どうせなら元神奈川県民としては馴染みのある京急の中古車に乗りたかったところですが、やってきたのは名古屋市交の中古車でした。

高松駅から前日とは逆方向、徳島へ向かいます。特急「うずしお」に乗り、往路は最新の2700系気動車でした。

徳島では、駅前の「徳島ラーメン 麺王」という店で昼食をいただきました。一口に徳島ラーメンといっても白系、茶系、黄系と流派が分かれるそうですが(色はスープの系統を表す)、ここは茶系です。甘めの醤油とんこつという感じで、割と好きかも。

行き先を色々考えてはみたのですが、「徳島の観光スポットって鉄道で行きやすいところにはあまり無いな」という結論に。観光スポットではありませんが、駅前でなんとなく入ったアミコという再開発ビルは、デッドモール(生ける廃墟)好きとしては良かったですね(商業施設としては無論良くないことですが)。

再び「うずしお」に乗り、高松に戻ります。復路は2600系でした。見た目はそっくりなのでマニアしか気付かないでしょうが、実はこちらは少数派のレア車両。

ざっくり言えば、四国では線形の悪いローカル線でも速い特急を走らせるために振子式車両が多用されており、コストや整備性を考えて、振り子ではなく空気ばね式車体傾斜装置に挑戦した試作車が2600系です。空気ばね式自体は新幹線でも使われている方式ですが気動車では難しいとされていて、そこにあえて挑戦した車両でした。

結局、色々と無理があって量産車にあたる2700系では振り子式に戻され、2600系は試作車だけが細々と(振り子じゃなくてもなんとかなるところで)使われているという状況なので、走行性能だけを見れば失敗作かもしれません。

しかし、そんな裏事情を知る由もない乗客目線では、2600系よりも2700系の方が振り子のコストを埋め合わせるかのように省略されている部分があるので、“失敗作”のはずの2600系に当たった方が枕もフットレストもあってむしろ嬉しいかも……?

特急「南風」に乗り、今度は高知を目指します。それにしても、この数日で高松―宇多津を何回通っているのか……本当は徳島線経由で景色を楽しみながら徳島から高知に直行したかったのですが、本数が少なく時間が合わなかったので、やむを得ず高松・多度津経由のルートを選択しました。

高知に来たら、やっぱりこれは見ておかないと。日本三大がっかり名所として知られる「はりまや橋」です。

三代がっかり名所は人によって挙げるスポットが違いますが、大抵は三番目のスポットが違うだけで、ここと札幌時計台が除外されることはありません。不名誉なスタメンですね。

実際に見てみた感想は……まあ「がっかり」ですよね。

ただ「小さくてがっかり」というだけで終わらずにちゃんと向き合ってみると、「平成10年にかけ替えられていて歴史が浅い」「そもそも名所になったバックストーリーが全然ピンと来ない」(よさこい節の歌詞も大昔の歌謡曲も知らんて……)など、がっかり名所たる所以が見えてきて納得しました。

これは別に観光名所でもなんでもありませんが、Twitter映えする現代の迷スポット「セブン-イレブン 高知はりまや町3丁目店」。知らずに通ればただ微妙に大きいだけの普通のコンビニかもしれませんが、元ルイ・ヴィトンのセブン-イレブンという、他にはまずないであろう珍物件です。

そもそも、昔は高知にルイ・ヴィトンの路面店があったということ自体がすごい気も。しかも、それが日本3号店だったとか。人口や都道府県別平均年収などを考えるとだいぶ攻めた出店のような……どんな戦略を描いて出店に至ったのか気になります。

夕食は、はりまや橋からも近い「明神丸 本店」へ。このご時世かつ開店直後の時間だったのでなんとか滑り込めましたが、基本的には予約していないと入れなさそう。本場の鰹たたき、最高でした。

ここまで宿には言及してきませんでしたが、需要の冷え込みで安く、おまけにクーポンを大量所持していたので一気にポイントを貯めてキャッシュバックを受け取れる(5,000円分×2)という理由で、7泊連続で各地のアパホテルを渡り歩いていました。支払った料金と受け取ったキャッシュバックを平均すると、1泊3,000円を切るレベルです。

キリ良くポイントやクーポンを消化し切ったので、最終日はアパを選ぶ意味があまりなく、少し気になっていたドーミーインに初宿泊。部屋や大浴場などの設備、無料ラーメンなど、色々な意味でこちらの方が良いですね。今度からドーミーイン派に寝返ります。


4/3(土):バースデイきっぷ 3日目

最終日はもうあまりやることも残っていないので、ゆっくりと宿を出発。高知駅にあるJR四国系列のカフェ「COCOCHI coffee」で一息ついてから列車に乗ります。

特急「南風」で高松方面に戻りますが、帰りの列車まではまだまだ時間がありますから、一旦丸亀で降りて寄り道することに。2日前に泊まったところではありますが、海側には行っていませんでしたからね。

上の写真は、江戸講中灯籠(太助灯籠)。今は漁船が並ぶ小さな船着き場という印象ですが、その昔は金毘羅参りの上陸港として賑わっていたそうで、この灯籠はそんな天保時代に建てられた物だとか。

昼食は「麺処 綿谷」へ。お客さんも多いですが回転の速いお店で、看板メニューの牛肉ぶっかけうどんをササッといただきました。

港の一角にある「うちわの港ミュージアム」を見学。伝統的なうちわの製法についての解説や実演、作品の展示に加えて、お気に入りのうちわを買って帰ることもできます。

高松に移動。再び高松城跡の横を取って……

続いて、「香川県立ミュージアム」を見学。まあ、よくある地域博物館ですね。

長かった10日間の旅も終わりに近付き、あとはサンライズ瀬戸に乗って帰るだけ。この記事で完結させようかと思いましたが、もう一回だけお付き合いください。

九州・中国・四国乗り鉄旅2021 Part.4(完)